弊社が考える循環型社会
美濃焼の伝統を誇る多治見市に拠点を置く加藤大典商店は、60年にわたりタイル販売を行ってきました。今日、持続可能な社会の構築が重要視される中、タイル産業は環境への負荷を最小限に抑え、資源の効率的な利用を促進することが求められています。
この実現には、メーカー、お客様、私どもタイル商社による三位一体のパートナーシップが必要です。一つ一つは小さな事業体が持つ年月をかけて築いた確かな技術と、その協業が新しい産業をつくる。加藤大典商店は創業以来メーカーが企画製造した製品を、マーケットにお届けするだけでなく自ら立案・企画したオリジナル製品を提供するDNAがあります。
その知見を生かし、自然と共存する社会の実現を目指し、タイル産業の未来に挑戦して参ります。
タイルの未来が貢献する循環型社会
弊社は、美濃焼1300年の歴史を誇る陶器のまち多治見市で、タイル産業黎明期の市場開拓からはじめ、3代にわたりタイルの企画、製造、販売一筋に、60 年以上の歴史を刻んできました。
今日、世界では持続可能な世界を実現するため、限りある天然資源を効率的に利用し、持続可能な形で再利用していく、循環型社会への取り組みが重要課題となっています。
これは、ビジネス、生活様式、社会全般において「量」から「質」への転換を示唆するものです。
地球環境問題の解決と経済成長とを両立させる、社会システムの構築が求められる中、建材タイルメーカーと共に加藤大典商店は、「環境に優しい」製品を提案していく事が最大の使命と考えます。
タイルの環境への優位性
窯業界における循環型社会は、資源の持続可能な利用と、環境負荷の最小化を目指す取り組みが中心となります。
幸い商材としてのタイルは「最も環境に優しい製品」と言えます。
タイルは高温焼成が欠かせず、化石燃料をエネルギー源として使用する事から、CO₂が排出され環境負荷の高い製品とイメージされがちです。
しかしながら、完成品としてのタイルは、経年変化による製品の劣化がなく、キレイで半永久的に長持ちする建材です。生産時のCO₂排出量を耐用年数で割れば数値が低く、他の建材よりも環境に優しい製品と言えます。
また、加藤大典商店が提供する製品は、タイルを焼成するエネルギー源には、CO2排出量が低い液化天然ガスやLPガスを使用し、グリーン購入法に適合した製品を主に取り扱っています。数ある生産メーカーの中から特に「環境への意識の高いメーカー」の製品を中心にご提供しております。
多治見の地域連携が可能にする、循環型社会を目指すパートナーシップ
循環型社会への貢献には、環境対策を新しい産業として創出する、メーカー、お客様、私どもタイル商社によるパートナーシップをより強固にする三位一体のビジネスモデルを構築することが必要と考えます。
弊社が立地する多治見市は、良質な陶土を持ち経済圏の重要な位置にある事から、陶磁器の生産および産地卸が集まり、美濃焼の集散地として製陶業が繁栄。陶磁器産業・タイル産業ともに生産量日本一へと発展をとげ、日本の窯業文化に大きく貢献してきました。
また、窯業産業は、1990年代のバブル崩壊以降、需要の停滞や売上の減少に加え、消費者の生活様式などのマーケットの変化による産業構造の転換という課題を同時に持っています。
多治見市の伝統産業の一つである窯業は、他の伝統工芸のものづくりと同様に、中小企業が多く分業制を採用しています。
この分業の特色は、一つ一つは小さな事業体が年月をかけて開発してきた窯業技術を持ち、各事業体が持つ吐出した技術を、取引先からの要望に応えられる事業体にコーディネートし、品質の高い製品を実現するチームを形成できることです。こうした協業関係によるセットワークが、この笠原地区には根付いています。
弊社は、こうした、各メーカーとの強い連携関係を基盤にし、直接取引の無い、原料メーカー・釉薬メーカー・金型メーカー・加工所などにも直接足を運び、オリジナル製品の企画立案をしマーケットに流通させてきました。
100 年続く企業を目指して
弊社は、タイル商社として新しいビジネスチャネルを開拓した経験から、お得意様のニーズに合わせた製品を生み出す力を持っています。
環境対策を新産業として創出することは、同時に、窯業産業が持つ課題である産業構造の転換を促進させる鍵になると捉えています。
現在、弊社では、資源の持続可能な利用と環境負荷の最小化を目指す取り組みとして、パートナーのタイルメーカーと協力し、産業廃棄物の含有量を最大限使用したタイルを開発中です。
高品質の窯業原料が枯渇していく中、今まで再利用原料は、窯業原料として数パーセントしか使用されていませんでした。この開発により循環型社会に貢献できる製品をご利用して頂く事を期待しております。
多治見という地域性、弊社の創業60年の実績を強みに、循環型社会への貢献と新しいタイル産業の未来に向けて、これからも挑戦して参ります。